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現役の書籍編集者が教える、実績ゼロから商業出版を実現する方法。

出版企画書の書き方・作り方 ~必ず入れるべき7つの項目 

 今回は、書籍企画書の作り方について解説していきます。書籍の企画書では、次の7つの項目は必ず入れるようにしてください。

1.本のタイトル

 編集者はまずタイトルから見ます。どういう本かが明確にわかるタイトルをつけましょう。また、文字の大きさやスタイルも変えて、本全体の雰囲気がタイトルから伝わるようにするとなおよいです。たとえば自己啓発系なら明朝、ビジネススキル系ならゴシックなどすると、雰囲気が出てきます。

2.帯コピー

 帯コピーを入れる人は意外に少ないですが、私はできれば入れたほうがいいと考えています。ただし、なんでもかんでも入れていいわけではありません。よくいるのは広告コピーのようなカッコイイ表現を使いたがる人。持ち込みの企画書は、あくまで編集者にアピールするものですから、本の内容や魅力が伝わるようなコピーを入れるべきです。次のような内容を意識すると、魅力的なコピーが書けると思います。

■「著者の強み」を書き出す

→「5000人の生徒を指導した塾講師が明かす!」「元マッキンゼーのマネジャーが教える」など

■この本を読んだ「読者のメリット」を入れる

→「会計の知識が2時間で身につく」「たった1か月で英語がペラペラに!」など


3.著者プロフィール

 これはめちゃくちゃ大事です。持ち込み企画は「プロフィールが9割」と言っても過言ではありません。あなたの送った企画がどれだけ微妙でも、著者として魅力がある人であれば、編集者は一度会って話を聞いてみたいと考えます。編集者は、自分が料理すれば化けるであろう「良い素材」を求めているからです。

 著者プロフィールでは「数字」を意識してみてください。「1000人を指導した」「担当した100社の企業の業績を改善した」などです。「多数の」「多くの」と表現するより、魅力的なプロフィールとなるはずです。また、これまで勤めた企業名や仕事で担当した企業名なども売りとなるので、虎の威を借りれるところは遠慮せずに借りていきましょう。

4.企画概要

 企画のおおまかな概要を書きます。伝えたいことが多すぎて理解しがたい文章になってしまっている人が多いので、まずは「一言でいえばどんな企画なのか?」を自分の中でしっかりと明確にし、そこから逆算してもっともわかりやすく魅力的に伝わる内容を考えていきましょう。
 

5.ターゲット

 現状の予測でいいので、想定しているターゲットを書いてください。20代ビジネスパーソン、経営者、40~60代の女性を中心に幅広く……など、かんたんなものでかまいません。

6.類書

 あなたが出そうとしている企画に近い本はどれなのか、アマゾンなどで調べて掲載しておきましょう。ただし、ここで頭を悩ませる必要はありません。たいていの人は的外れな類書を挙げてきていますが、編集者目線でいえばそこはあまり気にしていません。結局、本気で企画を進めることになったら、自分で類書をしっかり調べるからです。

7.構成案(もくじ)

 最低でも、各章で何を書くかは明確にしておきましょう。

 第1章 ○○○

 第2章 ○○○

 第3章 ○○○

 ……

 といった具合です。

 

 ちなみに、企画書と一緒に原稿を送ってくる人がいますが、原稿を添付する必要はありません。むしろ「いきなり原稿を書いて送ってきているな……めんどくさそう……」という印象も受けます(そういう人に限って、めちゃくちゃ電話かけてきたりする)。

 小説などの創作分野では別ですが、ビジネスや実用書の場合は、編集者がいきなり原稿をがっつり読むことはほとんどありません。基本的には、企画書をザっと見て、気になる人のみに連絡をしますので、原稿は添付しなくてもよいでしょう。