編集者って何してるの? 書籍編集者の仕事内容を紹介します
今回は、書籍編集者の仕事について、かんたんに紹介していきたいと思います。書籍編集者はふだん、おおまかには次の4つのことを同時進行しています。
1.新しい企画の仕込み
2.直近の刊行書籍の進行
3.数か月後に刊行予定の書籍の原稿整理
4.もっと先の企画の打ち合わせなど
このような仕事を主にしています。
1.新しい企画の仕込み
編集者が常に意識している仕事の1つに「企画の仕込み」があります。多くの出版社では、編集者に刊行点数ノルマが課せられています(売上ノルマの場合も有り)。その数は版元によってまちまちですが、平均でだいたい年間8点くらいです。多いところでは年間20点以上担当しなければならない版元もあるようです(ほとんどの制作を編プロに投げているようですが)。
年間8点としても、2か月に1本以上は新しい企画を企画会議で通していく必要があります。ですから編集者は、日々、「何かいい企画がないかな……」と必死に企画のアイデアを探しています。特に、担当点数が多い版元の編集者は必死です。とにかくどんな企画でもいいので、手持ちの企画を増やしたいと思っています。そうしなければ、編集長に詰められるからです(笑)。
2.直近の刊行書籍の進行
編集者は会議で通った企画をいくつも抱えています。その中で特に時間をさくのは、当然、直近刊行予定の企画です。だいたい刊行予定の3週間前には校了となりますが、その校了日までの1か月くらいは「ゲラ」の確認をしたり、カバーデザインをデザイナーと相談しながら制作したりしています。
「ゲラ」というのは、実際のレイアウトデザインに落とし込んだ原稿です。だいたい最初はWord原稿で原稿を整理していきますが、そのWord原稿をDTPデザイナーに渡し、実際のレイアウトデザインに落とし込んでもらったものになります。
最初にあがってくるゲラのことを「初校」と呼びます。そして、初校に修正を入れたものが「再校」であり、その後「三校」「四校」……となっていきますが、基本的には再校や三校あたりでいったん確認は終わります。その後、印刷会社からあがってくる「プループ」と呼ばれるもので誤字脱字などを最終チェックし、校了することが多いです。
カバーデザインについては、編集者がイメージするデザインを体現できそうなデザイナーを探し、依頼します。そして、打ち合わせのうえでカバーラフを作成してもらい、そのラフから1つの方向性を決め、ブラッシュアップしていきます。
3.数か月後に刊行予定の書籍の原稿整理
編集者は、直近刊行の企画だけでなく、今後刊行が控えている企画の原稿も同時並行的に確認を進めています。たとえば、著者に原稿を書いてもらうときには、「サンプル原稿」と呼ばれる、その名の通りサンプルを最初に書いてもらうのですが、それを確認し、フィードバックしたりしています。
4.もっと先の企画の打ち合わせなど
上記のような編集実務のほかに、著者候補として企画会議をしたり、狙っている著者のセミナーに足を運んだり……外出が多いのも編集者の特徴の一つです。中には、外出のままカフェで仕事をする編集者もいますので、基本的に編集部はガランとしています。
いかがでしょう。ざっくりと書籍編集者はこんな仕事をしています。この書籍編集者の日常がとてもよくわかる『重版未定』というコミックエッセイもぜひ参考にしてみてください。この本、本当にリアルです。書いてあることに、ほとんど嘘や偽りがなく、実際に読んだときは「おー」と驚きました(笑)
重版未定 弱小出版社で本の編集をしていますの巻 [ 川崎 昌平 ]
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マンガでとても読みやすいので、本を出版したい人や出版業界を目指す人はぜひ参考にしてみてください。